ゼロ・トゥ・ワン -君はゼロから何を生み出せるか-

Kindleのおかげでガーナでも日本の本を読める環境が整ってうれしいんだけど寝食を忘れて、没頭して最後まで読み切れるほど面白い本って三か月に一回くらいしか出会えない。逆に出会えると全力で他人におすすめしたくなるので一冊紹介させてください。

「Zero to One」:ピーター・ティール, 2014.
著者はpaypalの創業者の一人。僕なんかは「今が歴史上で一番技術が進んでいて素晴らしい時代」と思っているけど著者はそう考えてない。「もっとよりより世界があるはずだし、世界はもっと良くなることができる」と考えている。なので彼の興味の対象は「さらによりよくなった未来」と「よりよくなる未来を創る方法とそれを考える人たち」にある。
著者はよりよい世界をもたらす担い手はベンチャー企業だと思っているし、意思を持つ個人がそれを作れるはずだと確信している。
人生は宝くじみたいに第三者に幸運をコントロールされるものではなくて、自分で幸運(よりよい未来)をコントロールできると主張する。というか、背中を押してくれる。
過去・現在・未来の世界の変わり方を俯瞰的に分析しながらこの先の未来の変え方に言及する非常に面白い本。スタートアップ界隈の人たちには必読と思う。

目次
はじめに
1.僕たちは未来を創ることができるか
2.一九九九年のお祭り騒ぎ
3.幸福な企業はみなそれぞれに違う
4.イデオロギーとしての競争
5.終盤を制する―ラストムーバー・アドバンテージ
6.人生は宝クジじゃない
7.カネの流れを追え
8.隠れた真実
9.ティールの法則
10.マフィアの力学
11.それを作れば、みんなやってくる?
12.人間と機械
13.エネルギー2.0
14.創業者のパラドックス
終わりに―停滞かシンギュラリティか

序文を「君に友だちはいらない」の瀧本さんが書いており、時に抽象的になりがちな、この本の世界にスムースに入っていくことが出来る。