株式投資やってみた(extra:実践編)

友人から銘柄別のボラティリティーの精査の仕方がわからないのできちんと説明しなさい!とのご指摘を受けましたので具体的に述べたいと思います。ちなみにここで言うボラティリティーとは「株価が反発する、25日平均線からの乖離率」と定義します。ちょっと前回の復習をすると、一般的にボラティリティーが大きい=リスクが大きいと言う認識で構いません。精査にはエクセルを使いますが例によって「エクセル?新発売のお菓子かしら?」という人向けに書きますので、詳しい方は流し読みして下さい。

ちなみに、株価が25日平均線からx%乖離すると警告を出してくれるサイトやサービスはいくつかありますが、xがどのくらいの値か、ということは中期的には変化しますし、多少主観が混ざる問題なので、まず初めに自分で手を動かし確認してみて下さい。株をはじめようと思っているんだけど踏ん切りがつかない、という人には良いシミュレーションになると思います。※投資は自己責任で!

ステップ1:注目する株価のデータをダウンロード
このサイトhttp://www.geocities.jp/sundaysoftware/csv/keiretu.htmlから一日遅れの250日分の株価データを取得できますので、購入を考えている銘柄のデータをダウンロードしましょう。

ステップ2:データ形式の変更
csv形式のファイルですので、エクセル形式で保存してください。

ステップ3:データの整理
日にちが降順になっているので、データをすべて昇順に直します。データ範囲を選択し、「データ」→「並べ替え」→「最優先されるキー=日付を選択し、昇順にチェック」→「OK」の順に選択。日付と終値以外の行は消してください(何か他に使うならどこかに切り取りで貼り付けておいてください)。


ステップ4:25日平均値の算出
(C,26)=AVERAGE(B2:B26)と入れると、その日までの25日平均値が出ます。(C,26)というのは「C列25行のセル」という意味です。


ステップ5:ボラティリティーの設定
(D,24)と(E,24)を選び「右クリック」→「セルの書式設定」→「表示形式」タブの「パーセンテージ」を選択後、「小数点以下の桁数」を1に設定してください。ここでは仮に(D,24)に5、(E,24)に−5を入れておきましょう。ボラティリティー±5%を意味します。上限/下限のボラは基本的に同じ程度になりますが、違う場合もあるので柔軟に対応できるように分けておきます。

ステップ6:25日平均値からの乖離値の算出
(D,26)=C26*(1+$D$24)、(E,26)=C26*(1+$E$24)と入力。25日平均値に対してステップ5で設定したボラティリティー分だけ振れた値が算出されます。


ステップ7:224日分の値を算出
(C,26)、(D,26)、(E,26)を選択し、(E,26)の右下にある黒い四角にマウスをあわせ、右クリックし、一気に下までもって行きましょう。ステップ6の計算を、残り224日分も同様に計算してくれます。


ステップ8:グラフを描く
日付・株価と計算した値をすべて[(A,26)から(E,251)まで]選択し、ツールバーにあるグラフアイコンを押しましょう。「グラフの種類」→「散布図」を選び一番下右の「データを折れ線でつないだマーカーなしの散布図」を選択してください。いろいろ設定できますが、好みもあるのでとりあえず「完了」ボタンを押します。


ステップ9:ボラティリティーの調整
グラフの最小値を調整してグラフを見易くします。ステップ5で入力したボラは仮のものだったので、実際に描写したグラフを見て実情に近いものに設定しなおします。今回の場合は偶然±5%で良かったみたいですね。


ステップ10:日々楽しむ
ここまでしたのですから、終わりにしては勿体ありません。市場が開いた日は終値を確認し、このデータを日々成長させて下さい。実際に投資しなくとも「設定したボラまで株価が下がってきたけど反発して上昇に転じるかな?」とかチェックするだけでも楽しめます。

ちょっとここでディフェンシブ銘柄と呼ばれているリスクが小さい銘柄(一般的には電力会社や製薬会社など)と、リスクが大きい銘柄(リーマンショックでダメージを受け、自己資本比率を上げるために公募しまくっているメガバンク)の精査を行い、本当にボラティリティーとリスクに相関があるのか、確認してみましょう。どうなるんだろーなあ、たのしみだなあ(棒読み)。ここでは[9501東京電力]と[8316三井住友FG]を比較します。結果としては、東京電力が5%にたいして三井住友FGは11%となり、確かに電力株の方がリスクが低いことが分かります。

まとめます。日経225銘柄に限っての話ですが、ここ1年くらい(2009.2〜2010.2)の分野別ボラティティーは以下の通りです。市況やリスク許容度に応じてお選び下さい。ちなみに数値はあくまでも私の妄想ですのでご注意下さい。