Hamam(トルコ風呂)の調査を開始してみる

皆様トルコ風呂(ハマム、hamam)とはなにかご存知でしょうか。日本で「トルコ風呂」などというと性的なサービスを提供する場所だと勘違いされますが、実際のトルコ風呂は日常の汚れ、特にイスラム教と結びついた、礼拝前に身を清める場所というトルコの人々にとっては極めて一般的な場所でした。とはいえ日本の銭湯のように各家庭にお風呂が普及するに従って、トルコ人には普段行かない場所となりつつあり、存続のためにその歴史的・文化的な体験を提供するという趣旨で、客層を観光客にシフトするハマムがイスタンブール市内では多くなってきています。

  • Turkish bath

    http://en.wikipedia.org/wiki/Turkish_bath

いままで体験した範囲では「サウナ入浴料(10TL〜30TL)」「垢すり(5TL〜10TL)」「バブルマッサージ(5TL〜15TL)」「オイルマッサージ(30TL〜45TL)」といったメニューがあり、オイルマッサージは観光客狙いの不要なサービスだと個人的には思ったり。サウナで垢を浮かす⇒垢すり⇒石鹸で泡あわにされてマッサージというのが一般的な流れだと思います。

京都大学での研究テーマは「古い建物を利用してキャッシュを生み、それによって古い建物の保存を実現する」なので、トルコにいる間に調査出来る、似たような事例としてハマムを取り上げることにしました。

実地調査に行く前にまずは「ハマムとは何か?」というところから。以下に紹介する本は「A social history of Ottoman Istanbul」(Ebru Boyar and Kate Fleet,Cambridge University Press,2010.)という本で、一章分をハマムの成り立ちや文化的な背景、設置件数などの解説に当てています。



ハマムはどこにあるのか?イスタンブール市内の著名ハマムはどれか?という疑問は「Turkish Baths」(Orhan Yimazkaya,Citlembik LTD,2003.)より。著者の名前で検索するとトルコの共産主義者の幹部?らしきひとがヒットするのですが。。。なにこれ怖い。





また、一つでもよいのでハマムの図面を手に入れるために本日イスタンブール工科大学建築学科に侵入。工学の分野ではトルコで最高の大学で、設立はなんと1773年です。

  http://en.wikipedia.org/wiki/Istanbul_Technical_University



[左]ITU建築学科校舎。かっこいい。[中]図書館で資料を一緒に探してくれた建築学科のPelinちゃん。[右]校舎内での一枚。



Pelinちゃんのおかげで「Aga hamam restore project」(Nur Akin,TEMMUZ,1991)というタイトルの、ハマムの図面付きのドクター論文を入手できました。これはもうAga hamam(1562年設立!)に行くしかない、と言うわけでITUから直接Aga hamamへ。サウナ30TL、垢すり5TL、泡マッサージ5TL。サウナの料金(ほぼ入場料)を高めに設定するのはいい戦略だ。。。








今後は市役所での都市計画図の入手やそのほかの著名ハマムの調査を継続したいと思います。あとトルコにいられるのも2週間くらいですしね!

おまけ

[左]幼女子供はどこの国でも可愛い。[中]ラーメン!(メニューに載っている)[右]焼きそばじゃないですか!(切実)