トルコ留学後半(Spring term Ⅱ)を振り返ってみる

6月の上旬で最終試験も終了し、現在はイスタンブールニート生活京大での研究のためにハマム調査員として生活する日々です。
Spring term Ⅱで登録した授業は以下の2つです。

1.Innovation Management
Nesim Avigdor教授の授業。イノヴェーションの起こる条件や競争優位について徹底的に叩き込まれました。華やかな経歴の方で、ハーバードビジネススクール(HBS)卒業後、マッキンゼー入社。その後3つのベンチャー企業の立ち上げやボストン大学で教鞭を取る。現在KOC大学MBA教授。

授業内容は週2回の講義のうち1回が"Innovation Management"(Allan Afuah, Oxford University press, 2003.)を事前に読み、内容についての小テストを行った後、内容についてのディスカッションで、残り一回がHBSのケース教材を事前に読み込んだ上でのディスカッション。ともかく事前に読む分量が半端ではなく、毎週他の授業の準備をしながら内容を全て理解し、自分の意見を準備するのが大変でした。一方で先生はケースのディスカッションをする前にはYouTubeでその企業のプロダクトやサービスを紹介したり、ちょっとした理解のキーワードを示してくれたりと、授業は毎回とても良く準備がされていました。恐らく生徒以上に授業準備に対して割いている時間は多かったでしょう。生徒が欠席すると本気で怒っていたし、素晴らしい先生だったと思います。

最終試験は3時間以内にfive force, value curve, buyer utility mapを用いてケースで示された企業のイノベーションについて分析する、というもの。ケースで示されたイノベーションはなんとNTT Docomoi-mode。生徒に日本人がいるから、といった理由でケースを選ぶ人ではないので偶然だとは思いますが、大変楽しく分析することが出来ました。








2.Strategic behavior and competition in Telecommunications
私自身が理系出身なので、技術系の授業が取りたかったことと、今後もインターネットとビジネスは切り離せないものであろうと思い、登録した授業。教授はボストン大学でドクターを取得後、Turk Telekom(日本のNTTのような組織)から来ているRasim Ozcan教授と、MIT SloanでMBAを取得後同じくTurk Telekomで働いているAbdullah Kaya教授。ふたりのコネクションでほぼ毎週トルコ通信業界のCEOやCTO、証券会社で通信業界を担当しているアナリストの方が来てくれ講演してくれるというなんとも贅沢な授業でした。

日常生活では東日本大震災のチャリティーの計画を留学生オフィスに提案しに行き、実際に現地の学生と一緒に寿司パーティーを企画し売り上げを寄付したり、日本領事館や在イスタンブール日本人会の方とチャリティーコンサートを行ったりしました。(実際に私は最初のきっかけだけ作って、実務面は一緒に京大から来ているMさんが切り盛りしてくれました。)
プライベートでは日本文化大好きなトルコ人の女子高生に声をかけられどぎまぎしたり(美人だったもので)、トルコ人とオランダ人のハーフの友人に彼のおばあさんの家に連れて行ってもらい、トルコの田舎の集落を見ることが出来たりとなかなか貴重な体験が出来たかなと思っています。

また、この留学を通じて得られたものとして、以下の項目が挙げられます。

  1. 英語アレルギーの解消
  2. 外国人アレルギーの解消
  3. ドイツ・イタリア・ポルトガル・オランダ・トルコ人の友人
  4. コミュニケーション能力の向上
  5. イノベーションプロセスの体系的な理解
  6. 途上国マーケットに対する理解
  7. CVやcover letterの書き方など、海外におけるリクルーティング活動の理解
  8. トルコの歴史や文化に対する理解


このブログを書いている時点でトルコ滞在はあと数日となっています。日本に戻りたいという気持ちがある反面、少しさびしさも残ります。帰国後はいよいよ転職活動を始めます。日本の厳しい転職市場でどこまでやれるのか、がんばってみたいと思います。