佐々木俊尚さん講演会(2009/2/4)

例のごとく六本木ヒルズの講演会に行ってきました。
今回はITジャーナリストの佐々木俊尚さんです。
「仕事をするのにオフィスはいらない」(光文社新書、2009)は面白かったです。


佐々木俊尚twitter@sasakitoshinao
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%90%E3%80%85%E6%9C%A8%E4%BF%8A%E5%B0%9A

以下要点のまとめ

 検索エンジンは能動的なツールなので、自分が持っているキーワード以上のものが得られない。その点twitterSNS、ブログは新しい知見が得られる可能性がある。

 今後のITをめぐるKey wordは5つ。
   1.ターゲッティング(的確に情報にアクセスできるか、させられるか。)
   2.マスメディア再生(ネットの登場による新聞、テレビの劣化。再構築の必要性。)
   3.ハイパーローカル(小沢逮捕より地元のうまいラーメン屋情報のほうが重要。)
   4.タブレットiPadkindle
   5.セレンディピティ(情報との出会いの理論化)

1.ターゲッティングについて。
ライフログという概念の出現」
カルテの電子化→オンラインで患者の情報を共有。世界中どこでも病歴のチェックが可能に。Personal Health Record(PHR)。

ソーシャルグラフ
映画なら「TUTAYA DISCAS」、食事なら「食べログ」がクラウド評価機能を持っているけど、結局参考になるのはランキングより、「映画マニア」、「食事マニア」であり、質の高い記事の書ける「マイクロインフルエンサー」。彼らの記事を参考にすれば間違いが無い、という人を探す。

2.マスメディア再生
ネットが登場した今、情報の収集事態は簡単に。重要なのはその情報を取捨選別・加工できる人材。たとえば「The huffington post」は中の人の編集能力と鋭い分析で人気に。

 「The huffington posthttp://www.huffingtonpost.com/

AOL Seedという記事買取サイトも登場。経営危機に陥ったAOLがはじめる。現在アメリカでは新聞社が大量に破綻しており、仕事にあぶれた記者が記事を提供している模様。

 「AOL Seed」http://www.seed.com/

※rintan注:日本のように宅配制度で囲いこまれている日本と違い、アメリカでは当然良い記事を書けば売れるし、書けなければ売れない。記事も記名性が原則で価格も日本の半額以下。きちんと競争原理が働いている。日本の場合、情報リテラシーが無い人は情報誘導されやすいという危険性がある。つまり質の低いor画一化された情報を高いカネで買わされているのが日本の状況。金融自由化、ゼネコンの談合決別宣言後の日本では、最後の談合組織はマスコミなのではないか?

3.ハイパーローカル

「クレイグスリストの取り組み」
アメリカでは「売ります」「買います」「交換しましょう」「文通しましょう」などの一行広告が地方のフリーペーパーなどによく載っている。これを全米規模で実現。ちりも積もれば山となるモデル。NY、Losの求人・不動産情報だけは有料で、そこから収益をあげる。

 「Craigslist」http://www.craigslist.org/about/sites

4.タブレット
ネットブックの登場は将来出版社を通さずに自費出版で収益を上げられる可能性がある。出版社は経営方法を変える必要に迫られるかもしれない。編集者はよっぽどプロで無いと生きていけなくなるかもね。アマゾンでは既に作者から直接原稿の買取を開始。

amazon digital text platform」https://dtp.amazon.com/mn/signin

フリーの人のためのネット上の編集請負も登場しているよ。
smash words」http://www.smashwords.com/

ISDNは個人でも買えます。16,800円/10個。
「日本図書コード管理センター」http://www.isbn-center.jp/

5.セレンディピティ
※特記事項なし。

過去にはレッシグも来たし、東京住まいの方にはアカデミーヒルズ、お勧めです。
http://www.academyhills.com/