TOEICではなくTOEFLを受験しよう、と考えてみた。

KOC大学では院生の授業のみならず、学部生の授業も全て英語で行われます。院生は基本的に学部生の授業を取ってはいけないのですが、学部生向けの授業で"Academic Writing"と"Business Communication"という素敵なタイトルの授業を見つけたので英語力向上のために受講することにしました。出席して驚いたのが、トルコ人学生が皆英語ぺらぺらなこと。聞いてみるとKOC大学入学にはTOEFL-PBTで550点以上必要とのこと(因みにKOCの大学院はPBT600点以上必要)。日本人のTOEICの平均スコアは456点。TOEFL-PBT換算で約450点となります。
TOEICTOEFLの換算スコアに関しては下表参照。(出典:http://allabout.co.jp/gm/gc/57942/

テキストも全て英語なので、英語が出来るようにならないとやっていけないという要因もあるそうです。今日の"Business Communication"の授業ではCV(日本で言うところの履歴書みたいなもの)の書き方を教わったのですが、先生が何度も"You must speak and write English fluently, MUST!"と仰っていたのが印象的でした。トルコではある程度高度な知識を必要とする職業に就きたい場合、英語能力は必須のようです。因みに先生はアメリカ人。アメリカ人の英語は聞きやすいです。イギリス以外のヨーロッパ圏の方の話す英語はとても聞き取りにくいのですが、ヨーロッパ圏の人同士では普通にやり取りしている。そして日本人英語が通じにくい。アメリカの方には通じが良いです。日本の義務教育英語はアメリカ英語を採用しているので、当たり前かもしれませんが。。。まあ結局は自分の英語能力の無さが原因。がんばろう。
ここでTOEFLの優位性・利用方法について以下にまとめてみます。

  1. TOEFL英語の6要素(reading,writing,listening,speaking,grammar,vocabulary)を測れるのに対し、TOEICではwriting,speakingの能力は判定されない。
  2. TOEFLは海外留学の際の英語能力の証明に使うことが出来るがTOEICは使うことが出来ない。
  3. 大学入試もセンター試験、二次試験両方とも廃止してTOEFLでいいのでは?2.の理由により留学にも繋がるし。
  4. 日本で就職活動する際にも換算表により「TOEIC○○点相当です」と言うことが出来る。


またここで「今後社会人には英語能力は必須だ!」と声高に叫んでいる日本の企業がなぜ英語の能力の判定にTOEICを使うのか、ちょっと考えてみました。

  1. TOEFLに比べTOEICの受験料が安いため、就職志願者にも企業にも相対的に負担が掛からないから(TOEIC vs TOEFL=約5000円 vs 約17000円)。
  2. TOEFLで英語能力を測った場合、高得点をとって海外MBA等に留学され、ひいては辞職されるのを恐れている。
  3. TOEICで英語能力を測ることがベストだと思っている。
  4. みんながTOEICで英語能力を測っているので、特になにも考えず、英語能力のものさしとしてTOEICを採用している。
  5. ISOサギと同じで日本でのプロモーションにせいこ・・・おっとだれか来たようだ。


ともあれ日本語と同じ文法構造のトルコ語で育ってきたトルコ人学生のみなさんの苦労は日本人と同じはず。にも関わらずほぼ全員が英語ぺらぺらなのを見ると、日本の英語教育において学べることは多そうです。高度な内容まで日本語で記述できるため、学術書英語圏から輸入する必要がないといった誇らしい理由から英語教育が進まないという要因もあるとは思うのですが、少なくとも学部の英語の授業で日本人の先生が「ビートルズの歌詞を聴いて単語を当てる」とかやってる東北の某旧帝国大学はちょっとどうにかして欲しいです。